「朗読リハ」のご紹介

目次

声と言葉の ≪朗読リハ≫
――言葉を届けることが、回復の第一歩 ――――

「話す力」や「コミュニケーションの難しさ」にお困りの方へ

  • 「話したいのに、うまく言葉が出てこない」
  • 「声が小さくなり、思いが伝わらない」
  • 「人とうまくコミュニケーションが取れず、不安になる」――

脳卒中の後遺症・神経疾患・加齢などによって、“話す力” や “言葉の表出”、そして “対話のスムーズさ” に課題を抱える方は増えています。

 ≪朗読リハ≫は、“読む声” を使ってコミュニケーションを取り戻す、言葉のリハビリです。

一般社団法人ことばアートの会が創り出した ≪朗読リハ≫ は、朗読の手法を応用し、声に出して「読む」ことを通じて——

  • 言語機能
  • 感情
  • 認知
  • 社会性

————といった複数の側面を、朗読を通して総合的に整えていく、新しい言葉のリハビリテーションです。

私たちの目的(Purpose)

「正しく話す」ためではなく、人とつながる “声” を取り戻すこと。

それが、≪朗読リハ≫の目的です。

朗読という芸術的な行為を通して、呼吸・感情・記憶・社会性がゆるやかに回復へと向かい、再び “誰かに届ける声” が育っていく。

こうした試みは
――芸術表現と言語リハビリテーションをつなぐ架け橋として――
医療・教育・文化の各分野からも高い関心を寄せられています。

私たちの使命(Mission)

文化芸術の力で、再び社会とつながる場を創り続けること。

言葉に不安を抱える人が、声で世界と関わり直し、自分らしい表現を取り戻すための “居場所” をつくる。

それが、私たちの使命です。

【誕生のきっかけと歩み】

2021年、「失語症者のための楽しい朗読教室」として活動を開始し、2023年には一般社団法人ことばアートの会を設立。
朗読講座・舞台公演・学術研究など、医療・芸術・教育を横断する多角的な取り組みを続けてきました。

受講者の多くが——

  • 発声の改善
  • 滑舌の向上
  • 言葉の想起のスムーズさ
  • 感情表現や自信の回復

——といった変化を実感しています。

こうした確かな成果を踏まえ、2025年12月より名称を「失語症者のための楽しい朗読教室」から≪朗読リハ≫へと改め、失語症に限らず、より広く“話す力やコミュニケーションの難しさ” に悩む方々に門戸を開くことにいたしました。

そして現在、対象となる方は、次のように広がっています。

【対象となる方】

  • 失語症
  • パーキンソン病
  • 構音障害
  • 軽度認知症(MCI)
  • 加齢性の発声・言語機能低下 など

【朗読リハの特徴】

≪朗読リハ≫では、機能訓練や課題練習が中心の言語リハではなく  「誰かに届ける朗読」――その “意味のある発話” を大切にします。

呼吸・構音・イントネーションなどの身体的要素に加えて、 他者への共感・感情表現・想像力を育むことを重視し、 人間らしい言葉の回復を支援します。

【朗読と脳のしくみ】

朗読は、「読む・理解する・発声する・聴く・感じる」といった、複数の脳の働きを同時に使う、非常に総合的な活動です。

こうした多面的な刺激は、脳が経験に応じて変化・適応する神経可塑性(neural plasticity)を高めることにも
つながると考えられています。

さらに朗読には――

  • 感情の表出
  • 他者への共感
  • 心理的な安定

——といった作用が自然に伴い、こうした働きは、前頭前野・辺縁系・ミラーニューロン など、情動や社会性に関わる脳ネットワークが関与する可能性も指摘されています。

つまり朗読は、認知・情動・社会性の三つの側面を同時に刺激する、心と脳に働きかける活動です。

朗読リハ≫は――
心と脳、そして言葉をもう一度つなぎ直す “言葉のリハビリ”
として展開しています。

【学術的寄稿のご紹介】

本プログラムの理論的背景と実践成果は、学術誌『認知リハビリテーション』 にて特別寄稿として紹介されています。

「朗読による失語症リハビリテーションの実践と社会的展望― 当事者・戯曲翻訳家の視点から ―」
石原由理(2025)『認知リハビリテーション』第30巻, pp.104–122.
DOI: 10.50970/cogrehab.2025.005

Aphasia Rehabilitation through Recitation: Practical Approaches and Social Prospects

失語症当事者であり戯曲翻訳家でもある筆者が、朗読を用いたリハビリの臨床的意義と社会的可能性を当事者・表現者双方の視点から論じた内容となっています。

≪朗読リハ≫の理論的根拠や、臨床応用の可能性を裏付ける重要な研究成果です。

【安心して取り組める体制】

≪朗読リハ≫の講座には言語聴覚士(ST)が在籍し、医療的知見に基づいた安全・安心のサポート体制を整えています。

“声を使った新しい自己表現の場” として、年齢や背景を問わず、幅広い層の方にご参加いただいています。

【プログラムの流れ(例)】

  1. 軽い発声・口のストレッチ
  2. 呼吸とリズムの練習
  3. シアターゲームを楽しむ
  4. 朗読の表現を深める(感情・抑揚など)
  5. みんなで作品を聴き合う・語り合う

プログラムの特徴は――俳優のトレーニングにも用いられる「シアターゲーム」を取り入れていることです。

シアターゲームは、難しい技術が必要なく、遊び感覚の中で、声・表情・ことばの反応が自然と引き出されるエクササイズです。

  • 言葉を探す力(語想起)
  • 声の抑揚・表情の豊かさ
  • 他者への注意・共感
  • リズム・呼吸の整い
  • コミュニケーションの自信

こうした言語・認知・社会性が、“遊び” と “やり取り” の中で無理なく刺激され、従来の訓練では得にくい生きたコミュニケーション力が育ちます。

さらに、みんなでシアターゲームを行うと、自然と笑い声が生まれ、教室全体が明るくなるほどの「楽しさ」があるのも大きな特徴です。
声を出すことが不安だった方も、気づけば笑顔になっています。

シアターゲーム × 朗読で生まれる効果とは――

両方を取り入れることで、声・言葉・心がゆっくりと動きはじめ、“誰かに届ける声” が育っていくプロセスが生まれます。

【レッスンについて】

レッスンは「グループ」と「マンツーマン」の2種類で、どちらも Zoom(オンライン)で行うため、全国どこからでもご参加いただけます。

  • ご自宅から安心して取り組める環境を大切にしています。
  • 1回60~90分の、心がゆっくりと和らいでいく時間です。

【取材・メディア掲載実績】

これまでに NHK、フジテレビ、TBSラジオ、ニッポン放送、ラジオ日本、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、東京新聞など、多くのメディアで活動をご紹介いただいています。

「言葉のリハビリとアートの融合」という新しいアプローチは、社会的な関心も高く、文化・医療・福祉の枠をこえて注目されている取り組みです。

【一般社団法人ことばアートの会について】

当会の活動は、次の三つの柱を中心に展開しています。

1.朗読を通じた「話す力・伝える力」の回復支援

2021年より、失語症・パーキンソン病・構音障害・軽度認知症(MCI)・加齢性の発声・言語機能低下など、“話す力やコミュニケーションに悩む方々” を対象に、朗読を活用したことばのリハビリ(≪朗読リハ≫)を行っています。

声に出して読むというシンプルな行為を通じて、言語・感情・認知・社会性が整い、”誰かに届ける声“ を取り戻すことを目指しています。

朗読は “正しく話すための訓練” ではなく、自分の声で思いを伝え直すための、優しく寄り添うリハビリです。

2.プロ俳優を招いた舞台制作・主催公演

舞台の戯曲翻訳家・脚本家として、東宝・梅田芸術劇場・文学座など著名な劇団・劇場と長年にわたり作品づくりに携わってきた代表・石原由理は、その経験と専門性を活かし、当会で本格的な舞台公演を主催しています。

脚本・演出はすべて代表自身が担い、俳優の声・言葉・身体が響き合う舞台を創造し、観客の皆さまへ、確かなクオリティのエンターテインメントを届けています。

3.講演活動 ― 医療・福祉・行政・教育への発信

当会では、朗読リハの実践や演劇的アプローチ、そして代表自身の「失語症の当事者経験」に基づき、講演・研修活動を広く行っています。

  • 医療・福祉・行政向け
     「脳損傷者の言語回復になぜ朗読が有効なのか」
     「芸術表現と言語リハビリの統合モデル」 など
  • 大学・教育機関向け
     「共生社会・インクルージョン」
     「当事者が語る文化芸術と社会参加」 など

当会は、

  • 医療的知見
  • 芸術的手法
  • 当事者としての実感

この三つの要素を統合し、 “声” を通じて人が社会とつながり直すプロセスを伝えています。

講演・研修のご依頼はこちら→ボタン

【代表メッセージ】

こんにちは。代表の石原由理 です。

私は脳梗塞による失語症を経験し、言葉が出ない辛さや、人と話すことへの不安を深く味わいました。

「朗読をリハビリにできるのでは?」――
そう気づいたのは、私自身が長く演劇の世界で戯曲翻訳家・脚本家として活動してきたからです。
声に出して “誰かに届ける” という行為には、人の心を動かす力があると知っていました。

うまく話せなくても、読み間違えても大丈夫。
ここでは、あなたのペースで、あなたの声のまま安心して取り組んでいただけます。

声が出ると気持ちが動き、また誰かと話してみたくなる。

その小さな変化に、私たちは優しく寄り添いながら伴走していきます。

言語聴覚士(ST)とともに、心と言葉の回復を丁寧に支える場所として≪朗読リハ≫を続けています。

どうか一人で悩まず、まずは声を出しに来てください。
あなたの声が、もう一度あなた自身を動かし始めますように。

石原由理
一般社団法人ことばアートの会 代表

無料体験レッスン】

  • とにかく、楽しい! コミュニケーション能力やチャレンジ精神がアップ
    当教室の最大の特徴は、「楽しさ」。課題の物語を深く読み込み、表現に挑戦している仲間たちは、いつも楽しく、笑顔が溢れています。
    立場や年齢を超えた、支え合うコミュニテイが生まれ、コミュニケーション能力やチャレンジ精神を取り戻した、というお声も。
    朗読は、認知症予防や脳の活性化にも役立つことが知られています。声を出すことで、言葉・記憶・が少しずつ動き始めます。まずは気軽に、一度体験してみませんか。

  • レッスンは「グループ」と、「マンツーマン」 Zoomを利用します
    ご自宅にいながら、レッスンを受けることができます。全国どこにいても参加が可能。
    レッスン後は復習用に録画を配信。自分のペースで学ぶことができます。
    レッスンは、5人程度のグループレッスンと、個人指導のマンツーマンレッスンがあり、ご自身の状況に合わせて、選ぶことができます。

  • 成果を披露する「ミニ発表会」も
    レッスンは2週間に1回。3ヵ月を1クールとし、じっくりとひとつの作品に取り組みます。作品は、講師の石原由理が、失語症当事者の視点でセレクトした絵本作品が中心。定期的に発表会を実施して、成果を全国の支援者の皆様に披露しています。

    入会ご希望の方には、お試しの無料体験レッスンを実施しています。お気軽にお問い合わせください。

声を出すことは、ひとりでは不安でも、
誰かと一緒なら、きっと前に進めます。
あなたのペースで大丈夫です。

どうか、無理のない一歩から、朗読の世界に触れてみてください。

私たちは、あなたの “言葉” がもう一度動き出す瞬間を、
あたたかく見守り、支えていきます。

お問い合わせ・お申し込み・講座見学・講演依頼・ワークショップ依頼はこちらから

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