言葉つなぐ明日へ
心に響く声で 心をつなぐ

声と言葉の ≪朗読リハビリ≫
―― 声が届かなくなったと感じたときから、
回復は始まります ――
失語症やパーキンソン病による声の変化に、
朗読で向き合うリハビリです

脳卒中後の失語症やパーキンソン病などにより、「声が小さくなってきた」「言葉が前より出にくい」と感じている方へ。

✓ 声が弱くなり、聞き返されることが増えた
✓ 話している途中で、言葉が途切れてしまう
✓ 伝えたい気持ちはあるのに、声や言葉が追いつかない
✓ 人と話すことに、少し不安を感じるようになった

こうした変化は、神経疾患や脳卒中後の影響、あるいは加齢などによって、少しずつ現れてくることがあります。

≪朗読リハビリ≫は、そうした変化に対して「読む声」を手がかりに、声・言葉・人とのつながりを育て直していく朗読を基盤とした回復支援プログラムです。

≪朗読リハビリ≫とは

一般社団法人ことばアートの会が開発したプログラムです。朗読の手法を応用し、声に出して「読む」ことを通じて、言葉と向き合う時間を大切にしています。このプログラムでは、

✓ 言語機能
✓ 感情
✓ 認知
✓ 社会性

――といった側面を切り分けることなく、同時に使いながら整えていくことを重視しています。

単なる発声練習や機能訓練ではなく、「意味のある言葉を声に出す」体験を通して、言葉を使う力を総合的に育てていく、新しい形の言葉のリハビリテーションです。

≪朗読リハビリ≫の目的は、「正しく話すこと」や「上手に話すこと」ではありません。

声が小さくなっても、言葉が途中で途切れてしまっても、それでも誰かに届く声を、もう一度育てていくこと。

朗読という行為を通して、呼吸・声・感情・記憶・対話がゆるやかにつながり直し、「話すことへの自信」が少しずつ戻っていく。それが、≪朗読リハビリ≫が目指している回復の形です。

※この回復の考え方は、実際の教室と発表会の積み重ねの中で形になってきました。

私たちの使命は、文化芸術の力を通して、再び社会とつながるための「声の居場所」を創り続けることです。

言葉や声に不安を抱える人が、「話せない自分」ではなく、「それでも伝えられる自分」として、人と関わり直していける場であること。それが、私たちの使命です。

誕生のきっかけと歩み

≪朗読リハビリ≫は、失語症当事者である代表自身の経験を原点として、2021年に「失語症者のための楽しい朗読教室」として活動を開始しました。

その後、失語症の受講者たちは、約50名の観客の前で発表会を成功させ、朗読を通して人前で声を出す経験を積み重ねていきました。

この実践を土台として、日本初となる失語症者たちによる朗読劇を開催。

▪️第1回失語症朗読劇『言葉つなぐ明日へ』

▪️第2回失語症朗読劇『言葉に架かる虹』

▪️第3回失語症朗読劇『言葉のラビリンス《迷宮》』

言葉を失った当事者が、朗読を通して再び声を取り戻していく――

その取り組みを重ねる中で、パーキンソン病など、声や発話に変化を抱える方々にも、共通する課題と可能性があることが見えてきました。

2023年には、一般社団法人ことばアートの会を設立。

朗読講座・舞台公演・学術研究など、医療・芸術・教育を横断する活動を展開しています。

これまでの受講者の多くが、

✓ 声が出しやすくなった
✓ 話すときの不安が減った
✓ 言葉が前よりスムーズにつながるようになった
✓ 人前で声を出すことへの抵抗が和らいだ
——といった変化を実感しています。

主な対象となる方

✓ 失語症のある方
✓ パーキンソン病により発声・発話に悩む方

※そのほか、構音障害、軽度認知症(MCI)、加齢による発声・言語機能低下など、「話すこと」「声を出すこと」に不安を感じている方もご相談ください。

≪朗読リハビリ≫では、従来の機能訓練中心の言語リハビリとは異なり、「誰かに届ける朗読」――意味のある発話をプログラムの中心に据えています。

声が小さくなったり、言葉が途中で途切れてしまったりしても、伝えたい内容を声にのせて相手に届ける体験そのものが、回復への一歩になると考えています。

呼吸・構音・イントネーションといった身体的な要素に加え、感情や想像力、他者との関係性を含めて扱うことで、人と関わるための「生きた言葉」の回復を支援します。

当会ではこの取り組みを、「統合型・朗読リハビリ(Core Program)」として位置づけています。

≪朗読リハビリ≫における
「リハビリ」という言葉について
本プログラムで用いている「リハビリ」という言葉は、医療行為や治療、診断を目的としたものではありません。

朗読やシアターゲームといった表現活動を通して、声を出すこと、言葉を使うこと、人と関わることへの安心感を育てていくための、文化・教育的な取り組みです。

※ここからは、言語聴覚士など専門職の方向けの説明です。一般の方は読み飛ばしていただいても問題ありません。

≪朗読リハビリ≫では、朗読を意味のある発話として成立させるための前段階として、シアターゲームを取り入れています。

ここで用いているシアターゲームは、俳優訓練に基づく演劇的手法を、言語回復支援の目的に沿って再構成したアプローチです。

発声・構音・呼吸といった要素を、それぞれ単独の機能訓練として扱うのではなく、

✓ 声量
✓ リズム
✓ 意味理解
✓ 感情
✓ 語想起
——といった要素を切り分けず、同時に扱う構造を持っている点に特徴があります。

これは、発話を単なる「機能」として捉えるのではなく、人とのやりとりの中で生じる〈対人行為〉として再統合する試みです。

朗読という課題は、

✓ 理解する
✓ 声に出す
✓ 相手に届ける
——という複数のプロセスを内包しています。

その前段階としてシアターゲームを用いることで、声と身体、相手との関係をやさしくつなぎ直し、発話に入るための心理的・身体的な準備を整えていきます。

神経可塑性の観点からも、情動・社会性を含む広範な脳ネットワークへの刺激が期待され、言語機能と心理的側面の両方に働きかける構造を持っています。

≪朗読リハビリ≫は、
失語症当事者であり、戯曲翻訳家・脚本家でもある代表が、 自身の回復経験と演劇専門性をもとに構築したプログラムです。

発声・構音・語想起・感情表出・対人反応を分断して訓練するのではなく、意味のある発話とやりとりの中で同時に扱う点に、本プログラムの核があります。

臨床では捉えにくい、
✓ 発話への心理的ブレーキ
✓ 声と感情の乖離
✓ 対人場面での萎縮
——といった側面に対し、
シアターゲームと朗読を組み合わせてアプローチしています。

なお、≪朗読リハビリ≫では、対象となる疾患や課題に応じて、プログラム構成を明確に分けています。

  • 失語症向けグループレッスンでは、対人関係の中で発話を立ち上げるためのシアターゲームを中心に構成しています。
  • パーキンソン病向けマンツーマンレッスンでは、 発声・呼吸・滑舌、短い詩やフレーズを用いた朗読など、声の持続とコントロールに重点を置いた内容を行っています

本プログラムは、失語症向けグループレッスンおよびパーキンソン病向けマンツーマンレッスンの両方で実施されています。

本プログラムの理論的背景と実践成果は、学術誌『認知リハビリテーション』にて、特別寄稿として紹介されています。

「朗読による失語症リハビリテーションの実践と社会的展望― 当事者・戯曲翻訳家の視点から ―」
石原由理(2025)『認知リハビリテーション』第30巻, pp.104–122DOI: 10.50970/cogrehab.2025.005  
本文はこちらから
※リンク先ページの後半に、日本語による記載がございます。

本論文では、失語症当事者であり、戯曲翻訳家・脚本家でもある筆者が、朗読を用いたリハビリテーションの臨床的意義と社会的可能性について、当事者としての実感と、表現者としての専門性の両面から論じています。

これまでに、NHK、フジテレビ、TBSラジオ、ニッポン放送、ラジオ日本、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、東京新聞など、多数のメディアにて活動をご紹介いただいています。

「言葉のリハビリとアートの融合」という新しいアプローチは、社会的な関心も高く、文化・医療・福祉の枠をこえて注目されている取り組みです。

一般社団法人ことばアートの会について

当会は、

医療的知見
芸術的手法
当事者としての実感

この三つを統合し、声を通して、人が社会とつながり直すプロセスを支援しています。

主な活動
1. 朗読リハビリによる言語の回復支援
失語症やパーキンソン病など、声や言葉に不安を抱える方を対象に、朗読を基盤とした回復支援を行っています。

2.舞台制作・主催公演
失語症などの当事者が舞台に立ち、声と言葉を表現する朗読劇を行う一方で、 代表が長年、第一線の舞台芸術の現場で培ってきた専門性を活かし、 プロの俳優を起用した舞台公演の企画・主催も行っています。


3.医療・福祉・教育分野への講演・研修
医療・福祉・教育現場に向けて、≪朗読リハビリ≫の実践や考え方を講演・研修という形でお伝えしています。

代表メッセージ

こんにちは。
一般社団法人ことばアートの会 代表の石原由理です。

私は、脳梗塞によって失語症を経験しました。言葉が出ない辛さ、人と話すことへの不安を、当事者として深く知っています。

うまく話せなくても大丈夫です。声が小さくても、読み間違えてもかまいません。

ここでは、あなたのペースで、あなたの声のまま、安心して取り組んでいただけます。

どうか一人で抱え込まず、まずは声を出しに来てください。

あなたの声が、もう一度、あなた自身を動かし始めますように。

石原由理
一般社団法人ことばアートの会 代表

東京大学大学院 学際情報学府修士課程修了
約25年、舞台の戯曲翻訳家として、文学座・俳優座・東宝・梅田芸術劇場をはじめ著名な劇団・劇場の作品に携わってきたが、2013年に脳梗塞を発症し、失語症の後遺症が残るが、朗読の力で克服。
2023年一般社団法人ことばアートの会を設立

【受賞実績】

  • 第12回ウーマンズビジネスグランプリ2023in品川優秀賞(準グランプリ)
  • 第9回女性起業チャレンジ大賞特別優秀賞

【講演実績】

  • 東京大学「ダイバーシティ・インクルージョン概論」
  • 東京都立大学「生活機能障害概論」
  • 東京藝術大学「福祉×アート」プロジェクト
  • 江戸川保健所「高次脳機能障害・失語症の言葉と人をつなぐ朗読」
  • 草加市「障がいがある人のコミュニケーション条例」
  • 認知リハビリテーション研究会「失語症者の言語回復にとってなぜ朗読は有効なのか」 ほか多数

各レッスンの詳しい内容

グループで大切にしていること
 (失語症の方に多いお悩み)

「正しく話すこと」よりも、「声を出してみること」を大切にしています。言葉が途中で止まっても大丈夫。読み間違えても問題ありません。同じ経験を持つ人たちと声を出す時間を共有することで、「話すこと」への緊張が、少しずつゆるんでいきます。ひとりでは不安でも、「同じ立場の人がいるならやってみたい」 そう感じている方に向いた内容です。

▶ マンツーマンで行うこと
 (パーキンソン病の方に多いお悩み)

その日の体調や声の出やすさに合わせて進める、完全個別のレッスンです。声の出にくさ、発話の途切れ、声量の低下など、集団では対応が難しい課題に対して、状態を丁寧に見ながら取り組みます。朗読を用いて、発声・滑舌・呼吸・声の持続といった要素を確認し、日常会話につながる「話しやすさ」を整えていきます。「自分のペースで、落ち着いて声と向き合いたい方」におすすめです。

レッスンの進め方

▶ 集中して取り組む
グループ・レッスン90分クラス
※言語聴覚士(ST)在籍

朗読に慣れ、声と言葉の土台を整えていくためのクラスです。 無理のないペースを大切にしながら、 声を出すこと、言葉に触れることに、安心して取り組んでいきます。

このクラスでは、失語症の方に多い「話すことへの不安」や「声が止まってしまう感覚」に配慮し、朗読に入る前の段階として、シアターゲームを取り入れています。「正しく話すこと」や「うまく読むこと」を目標にはしません。 まずは、声を出してみること、 そして人とのやりとりの中で声を使う感覚を取り戻していくことを大切にしています。


このクラスでは、いくつかのシアターゲームを取り入れながら進めていきます。

ここでは、その一例として、次のようなワークをご紹介します。

一人二役ゲーム(質問と答え)
ひとりで、「聞く役」と「答える役」の二役をやります。聞く役が、短い質問をひとつ。 答える役が、一言だけ返します。

途中で止まってもOK。 言い直しても、黙っても大丈夫です。「ひとりで声を出す」けれど、 まわりが聞いてくれている安心感の中で行います。

このシアターゲームは、 毎回のレッスンの中で取り入れており、自然と笑いが生まれる、あたたかなやりとりの時間でもあります。

こうしたワークを通して、 「話すこと」への緊張が、少しずつゆるんでいきます。ひとりでは不安でも、「同じ立場の人がいるならやってみたい」 そう感じている方に向いたクラスです。

▶ 落ち着いて進める
マンツーマン・レッスン
60分(完全個別)

朗読を通して、声の出やすさや話し続ける感覚を整えていくためのクラスです。

その日の体調や声の状態に合わせ、無理のないペースを大切にしながら進めていきます。

このレッスンでは、パーキンソン病の方に多い 「声が小さくなる」「途中で息が切れてしまう」「最後まで話し切れない」——といった変化に配慮し、 ひとりひとりの状態を丁寧に見ながら進めます。

「大きな声を出すこと」や「頑張って話すこと」を目標にはしません。 まずは、今の声の状態を確認し、無理なく声を出し続けられる感覚を整えていくことを大切にしています。

このレッスンでは、声を出す準備から朗読までを、段階的に行っていきます。

ここでは、主に次のような内容を取り入れています。
✓ 呼吸や姿勢を整え、声を出す準備をする
✓ 発声・滑舌を意識した、やさしいウォーミングアップ
✓ 短いフレーズや文章を用いた朗読
✓ 声の大きさや、話し終わりまで声を保つ練習

途中で休憩を入れることもあります。 調子の良い日は少し深めに、疲れが見える日は短く、やさしく進めます。

こうした積み重ねを通して、声を出すことへの不安がやわらぎ、日常会話につながる「話しやすさ」を整えていきます。

自分のペースで、落ち着いて声と向き合いたい方に 向いたレッスンです。

▶ その他の疾患・障害の方も、状況によりマンツーマンでご相談いただけます。

≪朗読リハビリ≫では、3か月に1回、オンライン(Zoom)で朗読発表会を行っています。

レッスンは3か月1クールで進み、その期間でひとつの作品をじっくり仕上げていきます。発表会は、その区切りとして行われる場です。

失語症やパーキンソン病の方にとって、人前で声を出し、最後まで読み切ることは、大きな不安や緊張を伴う体験でもあります。だからこそ、練習を重ねて迎える発表会での「読み切れた」という経験は、 確かな達成感と成功体験として心に残ります。

声を、ひとりで抱え込まないこと。人に届け、分かち合う経験の中で回復を育てていくこと。それが、≪朗読リハビリ≫が発表会を行う理由です。

受講料について

本クラスは、参加される方の状態や目的に合わせてご案内内容が異なるため、受講料は無料体験レッスン後にご案内しています。無理な勧誘は一切行っておりません。まずは実際に声を出し、ご自身に合うかどうかを確かめていただくことを大切にしています。

声を出すことは、ひとりでは不安でも、誰かと一緒なら、前に進めることがあります。あなたのペースで大丈夫です。

私たちは、あなたの「声」と「言葉」が もう一度動き始める瞬間を、 あたたかく見守り、支えていきます。

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