小嶋知幸先生のコメント

武蔵野大学の特任教授であり、言語聴覚士でもいらっしゃる小嶋先生に「失語症者の楽しい朗読教室」の朗読プログラムに対して具体的な練習内容の説明を聞いていただいたうえで、生徒たちが実際に練習している動画などもご覧いただき、このようなコメントをいただきました。

言語聴覚士は、失語症のある方々一人ひとりの障害特性に合わせて、ピンポイントで狙いを定めた訓練を提供する場合が多いと言えます。そのアプローチ方法は、風邪薬の処方に例えると、解熱・せき止め・消炎鎮痛・抗菌といったイメージかもしれません。
 一方、朗読プログラムのレッスンは、言語はもちろん、記憶・情動・生きる喜びといった、人間の心の営み全体に対して、ダイナミックに働きかける効果を持っています。それは総合感冒薬的と言えるかもしれません。総合感冒薬だけでは治らない風邪があるように、朗読が奏功しにくいケースもあるかもしれません*が、動画が示しているように、朗読プログラムは、これまで多くの失語症のある方々に対して驚くべき効果を発揮しています。
 言語聴覚士による専門的な訓練と、朗読プログラムのような活動が相乗効果となって、失語症のある方々が再び生きる喜びを取り戻して下さることを願ってやみません。

小嶋先生から、当教室の朗読プログラムを高く評価していただきました。

今後も先生のご指導を仰ぎながら、朗読の効果の共通性や適応性について、当事者の理解と信頼性を得るため研鑽に励み、より多くの方たちに効果的なアプローチを提供できますよう尽力してまいります。

小嶋知幸(こじまともゆき)先生 プロフィール

市川高次脳機能障害相談室主宰
武蔵野大学人間科学部特任教授
東京大学大学院医学系研究科にて博士号(医学)取得
(元)日本高次脳機能学会理事、日本神経心理学会評議員ほか

著書:「なるほど!失語症の評価と治療~検査結果の解釈から訓練法の立案まで」
   「失語症の源流を訪ねて:言語聴覚士のカルテから」
  「図解 やさしくわかる言語聴覚障害」
  「失語症のすべてがわかる本」
  「失語症の障害メカニズムと訓練法」 など

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